この記事では、教育格差を生み出している要因の一つ「文化資本格差」について解説しています。
教育格差を縮めるために「文化資本を高める」のは有効な方法です。
そこで、私が実践している文化資本を高める具体的な方法をご紹介しています。
経済格差を埋めるのは簡単ではありませんが、文化資本を高めて教育格差を縮めることは、どの家庭でも実践できるはずです。
こんにちは、とんびーです。
みなさんの家には本棚がありますか?
どのくらいの本がありますか?
現在とんびー家には1000冊を超える本があります。
これは、「読書環境は大事だろう!」という私の思いから「子どもを読書好きに育てる!」という考えの元に作られた本棚なのですが、
この本棚が結果的にとんびー家の文化資本を高めました。
子どもを読書好きにするために私が作った本棚については、以下の記事で詳しく解説しています。
【読書好きになる本棚の作り方】読まない子どもが本を手に取る方法
各家庭の文化資本の有り様によっては、これが教育格差の一因となります。
今回は、以下の内容をわかりやすく解説していきます。
- 文化資本とは何か
- 私が実践している文化資本を高める具体的な方法
それでは参りましょう。
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「文化資本」は親の考え方が表れた結果
2021年度の全国学習状況調査で「本がたくさんある家庭の子どもほど学力が高くなる」ことがわかりました。
そして、「文化資本の格差」が話題になりました。
この調査と文化資本格差については、以下の記事で詳しく解説しています。
【文化資本格差】本棚に本が1000冊あるので学力差が出る6つの理由を考えた
「文化資本格差」は親の考え方格差が表れた結果
まずは、ウィキペディア(Wikipedia)で文化資本について調べてみました。
文化資本とは、社会学における学術用語(概念)の一つであり、金銭によるもの以外の、学歴や文化的素養といった個人的資産を指す
引用:ウィキペディア(Wikipedia)文化資本より
「金銭によるもの以外の」とあるので、経済的な面ではなく家庭の文化的な面においての資産のことです。
具体的には、
- 親子がどんな言葉を使って会話しているのか
- 家庭で身につけたマナー
- 親が高学歴でなので、学歴による恩恵やメリットについて子どもに説く
- 毎週末ショッピングモールに行くのではなく、草花や昆虫を観察しに公園へ行く
- 親が読書家で読書環境が整っており、子どもも本を読むようになる
家庭環境や家族との日常、家族旅行のような非日常の経験から得られるものが「文化資本」になるんです。
俗に言う「育ちの良い人」は文化資本が比較的高いということになりますね。
だから、家族との日常から学びが得られない、非日常の体験が得られない、学習環境が整っていないなど文化に乏しい家庭と、上記のように文化に富んだ家庭の間には格差が生まれます。
これが「文化資本の格差」です。
お金をかけなくても文化資本を高められる
ここまでお話してきたように、親の考えや行動がどうであるかで、子どもが将来に渡って経験できることが変わります。
昔より一層、「経済力=経験値」の世の中になりがち。
習い事、留学など、結局経験するにはお金が必要なの?となってしまいます。
でも、経済に左右されない文化資本もたくさんあります。
公園で自然と触れ合うことや図書館のような公共施設を利用するのも、文化資本を高める要素です。
「日々の経験」で何を選ぶか。
「文化資本」の良さは、幅広い人がやり方次第で資本を増強できることにあります。
経済力がなくても文化資本に富む家庭を作れると思います。
留学なんかは、親に経済力と留学を良しとする考え方(文化)がないとできない選択です。
親に経済力があったとしても文化に乏しければ「留学はない」かもしれない。
結局、親の考え方次第です。
私が実践してきたこと|私の行動で文化資本が高まっていた!
「よし!文化資本を高めるぞ!」と意気込んで子育てをしてきたわけではありません。
私が実践してきた以下のことが、結果的に文化資本を高めていました。
- 自分の考えや行動を俯瞰してみる、そして置き換えていった
- 本を読んで勉強し、自分の中の選択肢を増やした
- 自分の視点を変えた
私の場合は「自分の育った家庭を反面教師にした」ことが功を奏しました。
一つずつ解説していきます。
自分の考えや行動を俯瞰してみる、そして置き換えていった
私は自分の育った家庭環境を振り返り、自分の考えや行動を俯瞰してみました。
幸いなことに、子育てをする中で何度も振り返る機会がありました。
特に影響したのは長女のプレスクールでの出会いで、その後の私の考えや行動を変えました。
このサイト「トビタカ」を作った経緯、プレスクールのお話など詳しいことは、プロフィールにてお話しています。興味があればどうぞ、恐縮です。
自分の育った環境がプラスになる面もあればマイナスになる面もありますよね。
はなっからどうしようもない家庭環境で、
「学ぶことなんてこれっぽっちも無いぜー」
というのは、私のことでもあるのですが、
そんなあなたは、是非、本を読んでください笑(詳しくは後述)
プラスになる面は、そのまま伝統を受け継ぎましょう。
問題は「マイナスに働いているな」と思う部分をどう変えていくか。
言葉遣い、会話の内容、マナー、教育への考え方など、親のつくるすべてが子どもの育つ環境になるとわかってはいても、正直、変えるのは大変でした。
今も完全にはできていません。
染みついている考えや行動って、ついつい出てしまいますから。
特にとっさに出てしまう言葉とか、なかなか変えられません。
とりあえずできることから、
「どうすれば子どもにとってプラスになるのか、経験値をアップできるのか」
と考えて、「次の行動をどうするのか決める」を繰り返して、
自身に染みついている考えや行動を一つずつ新しく置き換えていきました。
習慣を変えるのは難しいけれど、私自身にも当然プラスになりました。
本を読んで勉強し、自分の中の選択肢を増やした
振り返って俯瞰したあとに、疑問と危機感をもって私がやったこと、
それは「本」から情報を得ることでした。
とにかく何度も振り返るうち、
「自分に染み付いている考えを払拭したい」
「このままではちゃんとした子育てができるか不安」
と思い、
「教育関連の本を読み漁る」
という古典的手法にたどり着いたという笑
だって、私の親は当てにならないし、よその人も当てにできないし、っていったら、
今となっては、名だたる著名な方々、教育者と言われる方々の本を読んで、それを参考にしたことに一切の後悔はないわけで、
「古典的手法って、やっぱ正しいわ」
と同時に、
「名だたる方々、すごいわ」
と思ってます。
やっぱり、読書は最強。
これもあって、子どもにも読書を激勧めているわけです。
本を読んでいく中で、
「みんなと同じを封印して子どもの可能性をのばすこと」を私のモットーとしました。
文化資本の「ぶ」で終わった感のある家庭で育ち、
たぶん世の多数の人から、マナーも言葉遣いも「ブッブー
」と言われるレベルの私は、「本」からすべてを学びました。
正直、そこに書いてあったことを実践してきたまでです。
「どうすれば子どものプラスになるのか」
を、本から得た数ある選択肢の中から選んだ結果、「後天的に」文化資本を高めていくことができました。
「あ、これが文化資本を高めるということなんだ、フムフム」
と、最近腑に落ちた感じです。
今思えば、子どもの教育に関して「レベル0(ゼロ)」からスタートできたからこそ、素直に吸収できたのかもしれないと感じています。
自分の視点を変えた
本を読んで選択肢が増えると、何かをする際に
「どうすれば子どもにとってプラスになるのか、経験値をアップできるのか」
からスタートして考えられるようになりました。
子どもと日々接しながら、自分自身の視点が変わっていったんです。
例えば、このような日々を送っている家庭があったとします。
- 休日はショッピングモールに行く
- 夕食後はとりあえず家族でテレビを見る
- 子どもが毎日着る服は親が選んでいる
この一つ一つをする前に、
「どうすれば子どもにとってプラスになるのか、経験値をアップできるのか」
という視点を持ちます。
私は以下のように考えました。
- ショッピングモールより図書館に行ったほうが子どもの学びになるかな
- テレビを見るより家族でボードゲームのほうがいいよね
- 服は子ども自身に選ばせたほうが自己決定力が高まりそう
実際、長女も長男も小さな頃から毎朝ず~っと自分で服を選んでいます。
天気予報を見て気温を確認し、自分で服を選んでいます。
天気予報を見ること、気温の数字と肌感覚、全部が経験になると思ってなるべく口出ししませんでした。
同じ20度でも、太陽が出てる日、曇りの日、風が強い日、いろいろなことを自分で考えて着る服を選ぶって大事なことだなと考えました。
でも、ついつい私も口に出ることはありますよ。
「えっ、その格好で行くのか」と、おいおいと笑
前回の正月は帰省できなかったのもあって、紅白をちょっとだけ見たものの、年末年始はテレビをほとんど見ずに家族でマージャンをしていました。
普段も時間があれば、夕食後にカードゲームやボードゲームをしています。
私自身は朝から晩までテレビが付いている家庭で育ち、かなりのテレビっ子でしたが、今は必要なもの以外ほとんど見ません。
一つ一つちょっと立ち止まって「これってどうかな、他にベストは無いかな?」って視点で何をするか考えてきました。
毎日の地道な選択の積み重ねが大切だと思います。
とんびー家で実践【文化資本を高める具体的な方法】
ここまでお話したように、自分の視点を変え、考えや行動を置き換えつつ、いろいろな事を実践しています。
ここからは、とんびー家で実践している文化資本を高める具体的な方法をご紹介していきます。
- “生活面”を見直して文化資本を高めた
- “学習面”を見直して文化資本を高めた
- “外出先”を見直して文化資本を高めた
私が先に言っていた「本を読んで得た選択肢」もたくさん入っていますし、今実践していることもあります。
「生活面」を見直して文化資本を高めた
「生活面」を見直すのは大事で、先に言っていた言葉遣いもそうですし、生きていく知恵になります。
学力の高い子どもの家庭では「早寝早起き朝ごはん」を実践している割合が高いと言います。
- 規則正しい生活を送る
- 正しい言葉遣いを教える
- マナーを教える
- 歯磨きの重要性について説く
- 栄養バランスについて説く
- ゲームやテレビなどの時間を無制限にしない
- 日付の大きく見やすいカレンダーを貼る
- アナログ時計(文字盤のある時計)をおく
いろいろなことに時間を使ってほしかったので、メディア(ゲーム・動画など)とのつきあい方は特に気をつけました。
私がアナログな遊び時間を確保するためにしている具体的な方法は、以下の記事をご覧ください。
【子どもと動画・制限した結果】十数年、続けてわかったメリットとデメリット
「学習面」を見直して文化資本を高めた
壁やトイレなどの目にとまる場所にポスターを貼っていますが、いろいろと勝手に覚えてくれました。
テレビでバラエティーを見るなら歴史映画を見る、Youtubeを見るなら教養の高まるチャンネルを見る。
こうして一つ一つ立ち止まって考えました。
- 宿題を毎回ちゃんとやる
- 時間を決めて勉強する
- 目につきやすい場所に本棚をおく
- 図鑑や辞書をおく
- 画集や写真集をおく
- 地球儀と地図帳をおく
- ホワイトボードをおく
- 世界地図・日本地図などのポスターを貼る
- 読み聞かせをする
- 読書の時間をつくる
- 読書感想文や作文などのコンクールに応募する
- 家族でボードゲームをする
- 映画を見る
- ドキュメンタリーを見る
- 教養番組を見る
- オンラインで外国語を勉強する
- オンラインでプログラミングをする
- DIYをする
- 植物を育てる
- 生き物を育てる
- 野菜や果物を収穫する
図鑑や辞書、地球儀や地図帳などは、ただインテリアとして置いておいてもダメです。
とんびー家では、勉強中のスマホが禁止なので、調べ物はアナログ方式でやっています。
だから、図鑑、辞書、地図帳は必須。
一緒にクイズを見ている時に図鑑で「動物」を調べたり、地球儀で国の場所を確認することもあります。
「時間のムダ」という意見もありますが、スマホが正しく使える子どもならOKします。
学習習慣を身につける方法は、以下の記事をご覧ください。
【子どもが勉強するようになる】システムの作り方!ご褒美制度と学習環境を整える
読み聞かせから読書にスムーズに移行する方法は、以下の記事をご覧ください。
【読み聞かせから読書へ】スムーズに切り替えるために実践した5つのコト
子どもを読書好きにするために私が作った本棚については、以下の記事で詳しく解説しています。
【読書好きになる本棚の作り方】読まない子どもが本を手に取る方法
「外出先」を見直して文化資本を高めた
公共の施設には小中学生が無料で入れる場所がたくさんあってありがたい。
無料で行けるうちにたくさん利用しましょう。
とんびー家は家族そろって休みになることがほとんどなくて、外出先には苦慮することが多いんですが、唯一、美術館には足を運んでいます。
ショッピングセンターは見るだけなら無料ですが、ついつい買い物してしまうので、できるだけ行かないようにしています。
同じ無料でも何かプラスになる場所を選ぶようにしています。
- 公園に行く
- 図書館に行く
- 本屋さんに行く
- 美術館に行く
- 博物館に行く
- 水族館に行く
- コンサートに行く
- 観劇する
- 海・山・川に行く
- キャンプに行く
- 旅行に行く
- 映画を見に行く
- 歴史的建造物を見に行く
まとめ
今回は、教育格差を生み出している要因の一つ「文化資本格差」と「文化資本を高める方法」について解説しました。
自分が育った家庭で「当たり前」だったことが、子どもの未来にプラスになりますか?
ちょっとの変化が家庭環境を変え、子どもの文化資本を高めることにつながります。
私が実践して文化資本が高まった方法は、時間がかかりますが誰でも実践できると思います。
参考になるとうれしいです。