この記事では「よし、子どもにスマホを渡そう!」と思いきるために、親が欲しい判断材料について考えました。
『学習環境の破壊魔』にもなりかねないスマホ。
現実は、一定の年齢や家庭環境によっては渡さざるを得ない状況があります。
様々な心配事がある中で、どういった点に気をつけるべきなのか、
私とんびーの体験も交えて、「子どもにいつからスマホを渡すのか」について完全な独断と偏見でお送りします。
こんにちは、とんびーです。
「学習環境を今のまま変えたくない」
「これ以上勉強しなくなったら困る」
スマホを持ったことで学習環境だけでなく、その他の心配事についても向き合う必要が出てきます。
「いつスマホを持たせるか問題」が勃発している、いずれは勃発しそうならしっかりと考える機会になるかもしれません。
この記事は以下のような方むけの内容になっています。
- 子どもからスマホをせがまれている
- 本当に渡して大丈夫なのか悩んでいる
- 今の生活上どうしても渡さざるをえないが、問題が起こらないか心配
- 勉強しなくなったり、成績がさがらないか不安
それでは参りましょう。
おすすめ記事一覧
【子どもが勉強するシステム】ご褒美制度と学習環境を整える|私が実践した具体的な方法
【読み聞かせから読書へ】スムーズに切り替えるために実践した5つのコト
【読書好きになる本棚の作り方】読まない子どもが本を手に取る方法
【文化資本格差】本棚に本が1000冊あるので学力差が出る6つの理由を考えた
【イライラしない秘訣】子どもがゲームを始める前に親ができること
【マンガも読書もしてほしい!】子どもがマンガを手に取る前に私がした4つの行動
【先取り学習のその後】13年前子どもが先取り学習を始めた家庭の今【考え方と効果と弊害】
私がスマホを渡すときに判断基準にしたこと
私の判断基準はズバリ「人間性」。
これしかありません。
おっと、子どもに対してなのに厳しすぎますか?
私は当たり前のことだと思っています。
スマホは使い方によっては勉強の邪魔になるし、
一歩間違えば犯罪に巻き込まれたり、誰かを巻き込む危険をはらんでいるからです。
私がどうして子どもであろうと「人間性」が大事だと考えているのか、
まずは、最近の子どもを取り巻くネット環境を見ながらお話していきます。
最近の子どもを取り巻くネット環境をデータで確認
内閣府は毎年「青少年のインターネット利用環境実態調査」を発表しています。
実際にどれだけの子どもがスマホを保有しているのかがわかる調査です。
ちなみに以下が調査開始年と調査対象です。
- 平成21年度開始、当初は「満10歳から満17歳までの青少年」
- 平成30年度からは「0歳から満9歳までの子供の保護者」
今回は令和2年度の調査結果から気になるところを確認していきます。
令和2年度の調査結果 子どもたちのスマホ保有率
出典:内閣府「令和2年度青少年のインターネット利用環境実態調査」
令和2年度の調査結果における子どもたちのスマホ保有率は以下の通りです。
小学生(10歳~)の41%、中学生の約84%、高校生の約99%が自分専用のスマホを持っている
資料によると、自分専用のスマホを持っている小学生は41%です。
小学生の言う「みんな持ってる」はやっぱり「みんなは持ってない」ですねw
中学生になると8割を超えてきます。
しっかりとした判断基準のない家庭がこの割合を見ると「そろそろ持たせたほうがいいのかな~」と思ってしまう数字です。
高校生になると99%。いよいよ持たせないとならない感じです。
とんびー家でも長女の高校入学に合わせてスマホを用意しました。
令和2年度の調査結果 スマホを提供する保護者の取り組み
次にスマホを持たせている保護者のほうに目をむけてみます。
出典:内閣府「令和2年度青少年のインターネット利用環境実態調査」
令和2年度の調査結果における保護者の取り組みは以下の通りです。
- 青少年の保護者の約86%がなんらかの方法で子どものインターネット利用を管理している
- 青少年の保護者の約34%が大人の目の届く範囲で使わせている
どの年代においても7割以上の保護者が管理をしています。
でも、子どもと離れる時間が多くなる中学生以上になると「大人の目の届く範囲」が急激に少なくなりますね。
高校生になると行動範囲が広がるのでさらに目が届きにくくなります。
長女を見ていて感じるのは、友人や部活動においても中学生までとは比べ物にならないくらい連絡が頻繁になるし、
授業の連絡や学校祭の準備でもよく使用すること。
高校生活自体がスマホが無いと成り立たない状況になっていると感じます。
99%の所持率に納得できますし、逆に残りの1%の子どもはどうやって高校生活を送っているのかと考えてしまいます。
トラブル事例、ニュースから原因を探る
”うちは大丈夫だろう”と安心できないトラブル事例集
冒頭で触れましたが、調査からもわかるように高校生がスマホを渡すタイミングになりそうだし、家庭環境によってはもっと早く渡す必要があります。
親が管理しようと思っても、そこには必ず”あな”があります。
スマホを持たせる以上、以下のようなスマホにまつわる問題をしっかり考えておく必要があります。
- スマホがらみの犯罪に巻き込まれた
- オンラインゲームによる高額課金が発生
- スマホを持ち始めてから成績が下がった
- スマホ依存になった
ちなみに総務省のサイトには
というのがありますのでこちらもぜひ参考に。
これを見るとますます渡すタイミングに困ってしまいますが...
残念ながら一度渡してしまったら、途中で返してもらったり契約を止めたりするのは難しい。
ニュースから問題が起こる原因を探る
先日も、以下のニュースが報道されました。
国民生活センターは12日、保護者に無断でクレジットカード決済をするなど、小中高校生のオンラインゲーム利用を巡る相談が2020年度、全国で過去最多の3723件に上ったと発表した。新型コロナウイルス禍で在宅時間が長くなり、トラブルが増えたとみられる。担当者は「保護者のアカウントで子どもに利用させないで」と注意を呼び掛けている。
引用:共同通信 2021/8/13付「ゲーム課金、子どもに注意 親に無断で決済」
こういった話、最近は本当によく耳にしますよね。
私はこの記事を見てとても引っかかった部分があります。
クレジットカードの情報が紐づけされている状態で、
つまりこういう流れです。
親 or 子のスマホ→ 親アカウントでログイン→ 無断クレジット決済
違う違う、そこじゃない!
いちばんの問題は、保護者に無断でクレジットカード決済をするような子どもにスマホを使わせていることです。
クレジットカードに紐づいているスマホを借り、親のアカウントでゲームをしている子どもたちは世の中にたくさんいます。
ニュースのように勝手に課金してしまう子どもがいる一方で、課金しない子どもがいます。
今回のこのニュースで、子どもがどうして課金したのか理由として考えられるのは以下の3つです。
- 保護者が正しい使い方を説明していない
- 子どもに説明を聞く力がない
- 子どもが良い・悪いの判断ができない
保護者が正しい使い方を説明していない
保護者が「スマホの使い方をどのように説明したのか」は非常に大事です。
しっかりと説明することもなく、何となくの流れでスマホを手渡していませんか。
- 課金というシステムについて
- 画面の操作について
どこをどう触ったら課金してしまうのか、課金の仕組みについてなど、細かく説明する必要があるでしょう。
「この画面が出てきたら親に確認する」
「出てきた説明を読んで理解できないことを勝手にやらない」
などの確認も必要でしょう。
子どもに説明を聞く力がない
説明を聞く側の子どもに「素直に聞く力」も必要です。
親に限らず人から何か説明されても素直に聞けない場合は要注意です。
当然、まだ説明してもわからないような幼児に課金ができてしまうスマホを渡すのも危険でしょう。
子どもが良い・悪いの判断ができない
説明してもわからないような幼児にスマホを渡さないのと同様で、良い悪いの判断ができない子どもには渡せません。
親がいくら説明してもムダだからです。
課金がダメなことだとわかっていても最後の判断を誤るからです。
長時間のスマホ使用をダメだと知っていながら、スマホ依存になってしまうのも同様です。
子どもにスマホを渡す前に親ができること
ずばり、トラブルが起きないように親が対策するしかないですね。
私がスマホ子どもに渡す前に対策したことは以下の通りです。
- いろいろなトラブルの事例に目を通す
- 子どもにいろいろな危険があることを注意喚起しておく
- しっかりとしたルールを決める
- セキュリティーソフトでルール通りしっかり管理する
- 子どもをしっかり観察して正しく使えるかどうかを見極める
- 心配なら渡さない!子ども自身にも努力をしてもらう
- スマホの代わりになる連絡手段も考える
まずは、先に紹介した総務省のサイトにある「インターネットトラブル事例集2021年版」のようなもので、親も勉強します。
少しでもトラブルを少なくするには、スマホを渡す前も渡した後にも何度も話し合い親の考えを伝えることが必要だと考えています。
子ども自身が危機感を持たないと正しく使えるようにならないと思うので。
私が小学生の長女にキッズ携帯を渡した際は、携帯が高価なもので、落としたら登録されている情報が流出してみんなに迷惑をかけるよと伝えました。
トラブルに巻き込まれることもあれば、トラブルに巻き込んでしまうこともありますから。
そのおかげかキッズ携帯を使っていた時も、スマホを使っている現在もどこかに忘れたり落したりということが今のところ1度もありません。
ニュースでスマホのトラブルを見るたびに話すようにもしていますし、日常の使い方に関してもかなりうるさいほうです。
だから、閲覧制限、時間管理、所在確認などができるセキュリティソフトも入れています。
ルールを決めたら「セキュリティソフト」にまかせる
私が長年使っているのが、ESETセキュリティソフト の「5台3年版」です。
ドコモやソフトバンクなどのセキュリティーに毎月支払うよりも安いんですよね。
スマホはもちろん、自宅にあるPCやタブレットなど好きな5台に3年間使えます。
このソフトを使って最初に取り決めたルールの通りペアレンタルコントロールで制限しています。
全体の使用時間、使用時間帯、アプリの使用制限もかけられますし、必要になればいつでも時間の延長ができます。
高校生の長女の帰りが遅くなった時には「所在の確認」もかなり正確な位置情報で知ることができるので安心です。
ESETセキュリティソフト の公式サイトでキャンペーンをしている際にはかなりお安く購入できます。
アマゾンプライムデーの際にも結構な割引がされるので狙い目です。
お金はかかりますができるだけ心配したくないし、スマホのことで子どもと揉めるのも面倒なのが正直なところです。
子どもをしっかり観察して正しく使えるかどうかを見極める
いくら対策を練ったところで、子どもが親の説明を素直に聞けなかったり、
説明を聞いて理解していたとしても正しく使えるかどうかはまた別の話です。
ここのところがとっても難しくて、結局子どもの人間性をよく見るしかないのかなと。
まあ、たしかに「人間性」というとちょっと言葉が強い感じもします。
でも実際、正しい使い方ができなかったから高額課金してしまったワケです。
フィルタリングをしても、セキュリティソフトを入れても、正しい使い方を説明しても、それを使う子ども側がちゃんと使用できるかが重要。
親のスマホだろうと、親のアカウントだろうと、勝手に課金はしないという正しい行いができるかどうかが大事ですよね。
先でも触れたように、とにかくスマホの使い方や危険について何度も話し合って理解してもらうしかありません。
それと同時に子どもの様子も観察します。
具体的には、
- 約束を守っているか
- ウソや隠し事の数は多くないか
この2つは親として日頃から気になることですよね。
私は特にこの2つを重視して子どもの様子を見ていました。
約束を守っているか
約束を守れるかどうかは大事ですよ。
普段から時間にルーズだとスマホの使用にもルーズになります。
ゲームの時間制限を守れないのに、スマホの制限時間を守れるか。
ゲームが大好きだけど課金をしないでいられるのか。
ルールを作ってセキュリティソフトを使っても、子どもが全く約束を守る意思がなければ大変なことが目に見えています。
ウソや隠し事の数
普段何気なくウソを言っていたり、ちょっとしたことでもすぐに隠そうとしたり。
大きくなるにつれ何でも正直にとは行きませんが、ウソの内容が「かわいい」の限度を超えたり、見つかると怒られるから隠すクセがあるなら、スマホを渡すのはもう少し考えてからでもいいかもしれません。
間違った時やコッソリやってしまったことを隠すクセがあったりするのも厄介ですよね。
間違って課金してしまっても、早めに打ち明けることができれば高額課金にはなりません。
心配なら渡さない!子ども自身にも努力をしてもらう
親が子どもにスマホを渡すおもな理由としてあがる、
- 子どもにせがまれた
- 年齢、学年での判断
- 必要に迫られて
普段のようすを見て心配があるなら、急ぎでない限りまだ渡さない決断で行きましょ。
もし子どもが欲しがっているなら、親が心配している点を率直に伝えるべきです。
本当にスマホが欲しければ、子ども自身にも自分を良くする努力をしてほしいなと考えます。
何もしないのであれば「それほど欲しいわけじゃないのね」と考えます。
私は子どもたちを見ていて心に引っかかる部分があったので、スマホを渡すまでに上記のようなことを何度も伝え話し合いました。
それでも、どうしても渡さなければならない場合ってやっぱりあります。
とんびー家の場合は「必要に迫られて」でしたが、それまで「子どもにせがまれる」こともあったし、「学年が上がって周りが持ち始めた」というタイミングもありました。
でも子どもが変わる気配がなかったので、高校生になるギリギリまでは渡しませんでした。
2ちゃんねる開設者の西村博之さんが「僕が親なら“ネットを見せても大丈夫な子”に育てる」とおっしゃっている記事を拝見しました。(参考:日刊SPA! ひろゆきの教育論「僕が親なら“ネットを見せても大丈夫な子”に育てる」より)
ネットの世界って本当に幅が広いので親がすべてを説明するのは難しいですよね。
ネットだろうとスマホだろうと何であろうと「使っても大丈夫な子に育てる」ことに集約される気がします。
スマホの代わりになる連絡手段も考える
「今はまだどうしても渡せない!」
そんな時には、連絡を取る手段ってスマホ以外にも探せばあります。
とんびー家の場合は、中3までドコモのキッズ携帯を使っていました。
親子の連絡やSMSだけでいいならキッズ携帯で十分。
キッズ携帯以外なら、メール、スタディプラス、インスタのDMでPCから連絡を取ることだってできます。
スマホが無いなら無いなりに子ども同士でも工夫し始めます。
とんびー家の長女の場合はそうでした。
スマホ以外で連絡を取る手段がないか、子どもと一緒に考えましょう。
もちろん目の届く範囲で親のスマホを使うのもありです。
スマホを渡したタイミング とんびー家の場合
先でも触れましたが、長女の高校入学直前にスマホを渡しました。
それまではキッズ携帯です。
長女が一人で習い事に行くタイミングで初めてキッズ携帯を契約しました。
その後は中学卒業までキッズ携帯。
長女の性格と普段のようすから判断してのことです。
とんびー家の方針が”小中学生がSNSで頻繁にやり取りする必要はない”だったのもあります。
周りがスマホを持っていようとLINEをしていようとキッズ携帯で通しました。
キッズ携帯は登録している電話番号としか連絡できないので、子どもの交友関係も把握できました。
もちろん長女は不満だったでしょうがここは譲りませんでした。
そしてとうとう、渡すしかなくなった...
当然「いつになったらスマホ買ってくれるの?」という話に何度もなりました。
「あなたの普段の生活から判断して決めている。欲しいのなら普段の生活を改めてね。」と一貫して伝えました。
受験も終わりもう少しで高校生というその頃。
さすがに行動範囲が広がることもあって、親としてはスマホを用意したわけです。
長女?そりゃもう、今までと違って生活態度が一変...するわきゃない。
生活上必要になったからしかたなく渡したというのがホンネです。
今までより時間も距離も離れるようになったので、連絡を取る機会が増えたこと。
担任からの連絡事項がLINEで届くという理由もあります。
「学校連絡=LINE」というのはかなり衝撃だったのですが、これってどうなんでしょう。今は常識なの?
まあ、いち生徒の親としてはどうすることもできず。
入学時の説明で「学校はスマホを推奨しているわけではありません」ということでしたが、フタを開けてみれば、ってヤツです。
いろんな連絡事項がLINEでくるので、スマホに触れる時間が増えますよね~。
学校からの連絡と言いつつ、友達からのLINEに永遠と返信していたりとか...
親としてはメリハリがないのが嫌なんですが。
まあ、1日の使用時間を超えれば自動的に使えなくなるんですけどね。
セキュリティソフトのおかげです。
まとめ
今回は子どもにスマホを渡す際に大事な判断材料についてお話しました。
子どもの年齢や要求に押されてなんとなく渡してしまう前に、普段の子どもの様子を観察してからタイミングを考えても遅くありません。
この記事を読んでよく考えるきっかけになってくれたらと思います。